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そもそも手当とは何か
大まかな概要を確認
基本給とは別に支払われる
手当とは基本給と併せて諸費用として支払われる賃金のことを指します。社員のモチベーション維持や必要経費の補填などを目的に支払われるもので、基本的に給料に含まれます。ただし、税金や社会保険料については基本給と異なる扱いを受けるケースもあります。基本給は労働者のスキルや実績に応じて金額が決まり、給料の内訳で最も多くの割合を占めます。一方、手当は経費の補填などのために支給される付加的なものであり、性質の違いから割増賃金の計算における基礎からは除外されます。手当は基本給とは分けて支払われるものと考えてください。
なお、手当の詳細は必ず就業規則に規定しなければなりません。現職場の支給要件や金額について知りたい場合は就業規則を確認しましょう。それらの規定がない場合は労働基準法違反になります。
法律で定められている内容
法律で定められている手当として代表的なものが「時間外手当」「休日手当」「深夜手当」の3つです。時間外手当は1日8時間または週40時間を超えて労働した際に、通常よりも多い割増賃金が支払われるものです。休日手当は法定休日に労働した際に支給される手当を指します。深夜手当は22:00~5:00までの時間に労働した際の割増賃金です。これらの手当を支払わない旨の合意は無効とされており、仮に支払われなかった場合は遅延損害金などを上乗せして請求することができます。
課税・非課税について
給料明細を見ると分かりますが、一般的に基本給と手当は分けて記載されています。ただし、税務上では区別されていないので手当も所得税と住民税の課税対象に含まれます。一方、一定の範囲内での支給については課税対象にならないこともあります。一例を挙げると、一定金額以下の通勤手当には非課税枠が設けられています。所得税や住民税の課税対象となるのは「時間外手当」「休日手当」「資格手当」「役職手当」「住宅手当」「家族手当」「退職手当」などです。非課税となるのは「一定金額以下の通勤手当」「一定金額以下の宿直・日直手当」「一定の要件を満たす学資金」などが挙げられます。
賞与や退職金との関係
賞与や退職金については、手当は考慮せず基本給によって計算されるケースが多いです。これは、賞与や退職金は法律で定められた制度ではなく、会社側が算定方法を自由に決められるためです。算定方法に関する一律の法律が定められていないことから、手当の金額を考慮しない会社がほとんどです。ということは、労働者に支払われる賞与や退職金は手当の割合が高ければ高いほど少なくなるということになります。